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背徳のクリムゾン

やや原作に近いかなという感じのギンとルキア。強引系注意。
夕暮れの茜色の光に包まれた三番隊隊主室で睨みあうように立ちつくす影が二つ。
一人は長身でひょろりとした長い影,もう一人はひどく小柄で華奢な影。

「帰ります。結界を解いてください・・・」

長身の影はこの隊主室の主,三番隊隊長市丸ギン,小柄な影は十三番隊所属の朽木ルキアであった。睨みあうと言っても険しい視線でギンを見つめているのはルキアだけで,ギンはいつもの嗤いを一層深く口元に浮かべながらルキアを楽しげに見つめている。

「自力で解いてみたらどうや?ルキアちゃん,鬼道は得意やったやろう?」

ギンの言葉にルキアの唇が悔しげに噛みしめられる。
いくら鬼道が剣術よりは得手であるとは言っても隊長であるギンが張った結界,しかも幾重にも重ねられている強力な結界をルキアが破れるはずもないことをわかっていて,からかうギンが憎らしい。

「私をどうするおつもりです?」

「どうするも何も・・・」

ギンは楽しげに嗤い,一瞬のうちに距離を詰めルキアの手を取る。

「キミとボクの運命を全うするだけや。」

「運命・・・?」

「そうや。キミはボクのもんにならなあかん運命なんや。」

「な・・・!?」

ギンの理不尽な言葉に呆気に取られたルキアにわずかに隙が出来た。ギンはその機を逃さずルキアを抱きすくめた。

「っ!!は,離せ――!!」

細いくせに鋼のように強靭なギンの腕の中でルキアはもがいた。

「そないに暴れたらあかんやん。運命には逆らえんよ。」

ギンはわざとらしく困ったような顔を作りながら嗤う。

「何を勝手な!!そんな一方的な運命があるか?」

ルキアは必死でギンから身を離そうと,更にもがきながら言った。

「ルキアちゃん,本当に・・・キミが・・・本当に納得してへんと思おとるん?」

「あ,当たり前ではないか!!」

暴れるルキアの抵抗を難なく片手で封じると,ギンは聞き分けのない幼子に諭すような優しい声でルキアの耳もとに囁く。

「なあ,ルキアちゃん。獣が獲物を狩るとき,喰われてまう獲物は何を考えていると思う?」

ギンの熱い吐息が耳にかかる。

「何をわけのわからぬことを?」

いつものことながら相手をけむに巻こうとするギンの唐突な質問に,ルキアは叫ぶように問い返した。

「納得しているんよ。喰われることを・・・」

「なっ!?」この男は何を言っているのだろう。

「諦めたとか,観念したっちゅうことやない,最初から決められていたことやから受け入れるんや。運命やてなあ・・・」

ギンの細い繊細な指が頬に触れ,顔を包み込むように撫でる。

「そんな・・・馬鹿な・・・」

ルキアの顔に微かに動揺が走る。そんな勝手な理由などない,心は否定する。
しかし,ルキアの中の何かがギンの言葉に耳を傾けていた。

「狩られて喰われていく獲物の目ぇ,よおく見てみるとええよ。恍惚として,相手にゆだねて,ボクには愛を交わしているように見える。だから,ルキアちゃん。キミがボクのもんになるのは運命なんや。」

「おまえの言っていることは訳がわからぬ!!」

耳を傾けてはいけない,言葉を聞いてはいけない・・・必死で言い募るルキアに,ギンは更に甘く優しく囁く。

「ルキアちゃん,ボクのことよお見て・・・キミはボクの眼ン玉まともに見たことないやろ。」

つられてルキアはギンの瞳を見つめ,驚愕した。

「そ,その目の色は・・・」

そう何度も見たわけではないがギンの瞳は淡い淡い水色であったはずだ。
薄氷のような酷薄な色だと初めて見た時は思ったものであった。
しかし,今自分を見つめ開眼した瞳は血のような緋色,アイスブルーではなくクリムゾンレッド。
そして,瞳の奥に覗くは深淵の闇・・・

ギンは再び笑った。

「ボクの眼ン玉は,興奮すると赤うなるんよ。心から喰らいたい相手の前でだけ赤うなる・・・まともに見たんは多分キミが初めてやろうね。」

薄い形良い唇をひどく淫らな赤い舌が舐め上げる。誘うように歌うようにギンの言葉は続く。

「ボクの眼ぇに映っとるキミの眼ぇよお見てみ,何が見える?」

魅入られたように開眼したギンの緋色の瞳をルキアは見つめ返した。
いけない,これは背徳の色,魅入られてはいけない,惹きこまれてはいけない,理性はそう叫ぶ。でも,本能がその瞳から視線をそらすことを許さない。

赤い・・・赤い・・・赤い・・・深い深い闇をはらむ深淵のクリムゾン―――

緋色の瞳に映る己の顔。
恐怖にひきつっている,嫌悪感を露わにしている。でも,その瞳の奥には・・・

「・・・!?――」ルキアは驚愕し息をのんでいた。

ギンはルキアの瞳を見つめ残酷な優しい笑みを返す。

「キミの運命は・・・ボクや・・・」

力の抜けた身体がゆっくりと長椅子に押し倒され,首筋にギンの吐息がかかる。

(私は・・・)

ルキアの瞳から一筋の涙がこぼれた。
しっかりとギンに抱きしめられ,くちづけをおとされながらルキアは喰われていく獲物の瞳を思う・・・恍惚とゆだね,愛に近い哀しみを湛えた瞳を・・・

きっと私の瞳も・・・ルキアは静かに瞳を閉じる

瞼の裏を染め上げていく背徳のクリムゾン・・・

そう,これは運命・・・この腕から逃れることはできない――


                 〈END〉

あとがき
運命は美しくロマンティックなものばかりではないと,甘美な毒のようなギンとルキアの恋の始まりを書きたくて,こんな話になりました。
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