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 霊絡

夕日の中で一人あやとりをするギンの姿に,ルキアは我知らず心惹かれ…
「じゃあ,次はボクのばんやね?」

市丸ギンの細く繊細な指で織り成す糸の複雑なかたちをなんとか取ることができ,つい笑みがこぼれていた朽木ルキアは慌てて表情を引き締める。
いつの間にこの苦手な男とあやとりをするハメになったのだろうか。

それは四半刻ほど前のこと――
三番隊に書類を届けに来たルキアは,黄金色の夕日に包まれて窓辺に座っていた市丸ギンが,鮮やかな緋色の糸でひとりあやとりをしていた姿に我知らず見入ってしまったのだった。
糸を操るギンの指があまりに綺麗で,織り成す糸のかたちが次々と変化していく様が魔法のようで,目を逸らすことができず,つい誘われるままに糸をとってしまった。
順番に糸を取り合う二人あやとりは糸が絡んだら相手の負けだ。
ギンは難なくルキアから糸を取り更に難解な美しい形をつむぐ。そのあまりの美しさにルキアは糸を取るのも忘れその形に見入る。魅せられる。

「市丸隊長,その形は何なのですか?」

「さあなぁ。何回も糸取り合ってるうちに,できた形やからボクもなんなのかわからんわ。」

「そうですか・・・綺麗すぎて名前がないのは惜しいですね。」

ギンは嬉しげにくくっと笑った。

「取らんの?ルキアちゃん。」

「多分,取れないと思います。そのかたちは複雑過ぎます。」

「上手く取れたら何でも言うこと聞いたるよ。」

ギンはからかうようにルキアに言い募る。
ルキアは,はっとした。自分は書類に判をもらうために三番隊隊主室を訪れていたのだということを思い出したのだ。ついギンのペースに乗せられてあやとりに没頭してしまった。
ここはさっさとこんなお遊びを終わらせて十三番隊に戻らねば。
ルキアは意を決したようにギンの手に華奢な指を伸ばした。その時・・・

「・・・!!??」

ギンの指から緋色の糸がするりとほどけルキアの指に生き物のように絡みつく。
緋色の糸はしゅるしゅると蠢きルキアの象牙細工のような手を締め上げ完全に自由を奪った。

「な・・・!?」

あっけに取られた顔でルキアはギンを見上げた。ギンはにんまりと嗤いルキアの顔を楽しげに見つめ返す。

「さっきのあやとりの名前教えたろか?ルキアちゃん。」

「なんの冗談ですか?早くこれを解いてください!!」

おそらく霊圧が込められているのだろう。細い絹糸であるというのに引きちぎろうとしてもびくともしない。
ギンはルキアの叫びには答えず,言葉を続けた。

「『蜘蛛の糸』って言うんや。きれいな紫色のちょうちょを捕まえるためのなぁ。」

「市丸隊長,冗談が過ぎますよ。いい加減に・・・」

怯えを押し隠しルキアは気丈にギンを睨む。ギンは緋色の糸が絡むルキアの手を取り唇を押し当てると,引きつった顔のルキアの耳元で囁くように言った。

「ボクは嘘は,よお言うけど冗談はめったに言わんよ。知っとるやろう?」

ルキアの身体が我知らずゾクリと震えた。
そう,よく知っている,市丸ギンは冗談など自分に言ったことは一度もなかった。
言葉は絶えず嘘ばかりを紡いだとしても,ギンの行動はいつも冗談などではなく本気なのだから。

「なあ,ルキアちゃん赤い糸の伝説て知っとる?」

運命の恋人同士の左の小指同士は赤い糸で結ばれている。あまりに有名な伝説。
ルキアはこくりと頷いた。ギンはルキアの腕を拘束する緋色の糸を軽く弾いて嗤った。

「ルキアちゃんも女の子やね。でも,運命の相手とこんなもろい糸で繋がっているて本気で思うとるの?」

「・・・・」運命の相手のことなど考えたこともなかったルキアは口ごもった。

ギンはルキアの腕から糸を少し遊ばせ自分の小指に絡ませる。しゅるりと糸は腕を拘束したままルキアの小指にも絡みつく。

「赤い糸・・・脆くて簡単に切れそうで切れたら他のモンの指に絡みそうな浮気な糸やね。こっちの方がまだマシや。」

ギンはルキアの拘束された腕を引寄せると小指を口に含み強くかんだ。

「痛っ・・・・」

鋭い痛みにルキアは顔をしかめる。ギンはルキアの小指に封印のように刻まれた赤い歯型を満足気に見つめると,痛みで涙が滲んでいるルキアの目元に唇をよせ舌で拭う。

ビクン・・・ルキアの身体が羞恥に震えた。
逃れようにも腕だけでなく全身をギンの霊圧に絡め取られ身動きができない。
ギンは空いている方の手でルキアの頬を撫で指先でかすかに震える唇を愛おしげになぞる。
吐息がかかりそうなほど近いのにギンの唇は花びらのような唇を奪わず言葉を続ける。

「ボクはこんな脆い糸なんかにボクとキミの運命を委ねる気ぃなんか,さらさらないんよ。」

「あなたは一体なにを・・・?」

「ボクとキミを結ぶのはこれや。」

ギンは手をルキアの肩に置き,一瞬切なげにルキアの瞳を見つめると凄まじい霊圧を放った。腕から直接ギンの強大な霊力が注ぎ込まれる。その霊圧の強さ,凄まじさにルキアは悲鳴をあげる。

「・・・・っ!?うあっ!あああっ!!や,ああああっ!!」

「心配せんでええよ。ボクの霊圧わけとるだけや。こうしないとキミにはまだ見えんからな・・・」

ギンの言葉もルキアは耳に入らなかった。全身を蹂躙されるような霊圧に小さな身体を震わせ,耐えるのに精一杯であった。

「うくっ!!んんっ!!うああああああ――っ!!」

ルキアの身体がびくびくと震え断末魔のような叫びを上げたとき霊力の注入は終わった。
全身を震わせ,はぁはぁとあえぐルキアの頭をギンは優しく撫でるとギンはルキアの顎を掴み顔を上げさせた。

「よお頑張ったなあ,ルキアちゃん。でもこれで見えるようになったはずや。ほら,ボクを見てみ。」

ルキアはうつろな瞳をギンに合わせた。焦点が徐々に合っていく。同時にゆらゆらと揺れる無数の緋色の帯のようなものが目に飛び込んできた。

「・・・!?」

ルキアの菫色の瞳がカッと見開かれた。それはルキアが初めて目にするものであったが,同時によく知っているものであった。

「そや。霊絡や。上位の死神にしか視覚化できんし,触れることもできん。ルキアちゃんはボクの霊圧の助け借りて視覚化できておるんよ。」

ルキアは声もなくギンの霊絡に見入った。死神の霊絡は紅い,しかしその強大な力ゆえなのか,それとも自分にだけ見えているのであろうかギンの霊絡は冷たい銀色の光を纏っていた。

「ルキアちゃん,自分のも見てみ。」

ルキアは自分の身体を見下ろした。まとわり付くように伸びる己の霊絡。初めて見た自分の霊絡もやはり緋色であったが,優しい純白の光を放っているように見えた。
ギンはルキアの霊絡を手に取るといとしげに唇を寄せた。

「思うたとおりや。ルキアちゃんの霊絡は綺麗やね。白い光まとうていて・・・ほんまに綺麗や・・・」

そのままギンは愛撫するようにルキアの霊絡を細い指で撫で,弄ぶ。
ゾクリと背筋に甘いわななきが走る。霊絡に触れられているだけであるというのに。
頬を染めもじもじと身体をよじるルキアの様子にギンは口角をあげ,楽しそうにくくっと嗤った。

「さっき霊力を注いだ時,キミの霊絡と感覚器官を繋いどいたんや。ほら,こうやって触られるだけでたまらないやろ?」

ギンはわざとらしくルキアの霊絡に指を絡ませ,ちろりと舌を這わせる。

「な!?やめ・・・あっ・・・触るな・・・あっ!」

ビクンと身体が震え甘い声が漏れる。ルキアは糸で拘束された腕を思わず口元に押し当て,声をこらえる。

「ルキアちゃんがそこまで言うんやったら,触らんといてあげるわ。でも,そんかわりに。」

ギンはルキアの霊絡を離すとひょいとルキアを膝の上に乗せた。

「な,何をする?離せ!降ろせ!」

ルキアは足をばたつかせ暴れたが腕は拘束されている状態では満足な抵抗も出来ず,ギンの腕にがっちりと抑えられ完全に動きを封じられた。
ギンはニヤニヤと笑いながらルキアに言った。

「これ以上ボクは何もせえへんよ。ルキアちゃんがボクのこと欲しい言うまでは,なんもせえへん。誓うわ。」

「たわけ!だ,誰が貴様を欲しがるか!!」

ギンの言葉にカッとしたルキアは顔を真赤にして怒鳴った。それには答えずギンはゆらゆらと揺れる互いの霊絡を見つめにんまりと嗤った。
銀色の光をまとう霊絡が,純白に輝く霊絡にしゅるりと絡みつく。

「・・・あっ!」

刹那,全身を電流のように走る快感に思わずルキアはギンの死覇装に拘束された腕を強く押し当てた。

(な・・・・!?)

何が起こったのかわからず快楽の余韻に震えながら戸惑うルキアの様子に,ギンは嬉しげに笑った。

「さっきも言うたやろ。ボクとキミを結ぶのはこれやって。霊絡同士でもちゃあんと感じ合えるように術施してあるんよ。」

ギンは薄い形のよい唇をぺろりと舐めた。しゅるしゅるとギンの身体から伸びる無数の霊絡はルキアの霊絡を犯すように絡みついていく。霊絡が絡みつく度に全身を愛撫され敏感なところを擦られ嬲られるような快感が全身を襲う。
たまらず,ルキアは唇を強くかみ締め,瞳を固く閉じ,全身を走る甘い感覚に耐えた。

「なあ,ルキアちゃん。運命にどこまで抗えるかやってみるとええよ。」

「何を・・・勝手なことを・・・あっ!あああっ!!」

ギンの霊絡がルキアの霊絡を締め上げる。無数に広がる二人の霊絡は互いを求めるかのように絡み合い縺れ合い濃厚な愛撫を交わす。つがいの蛇のように・・・甘く淫らに蠢きルキアの身体を快感で満たしていく。

「・・・っく・・・ふうっ・・・んん・・・」

ギンは己の腕の中で必死で快感に耐えながらも,甘く乱れ,身を切なく捩るルキアの姿をじっと見つめた。その姿は少女とは思えぬほどの妖艶な美しさであった。
立ち上る甘い香りがギンの官能を刺激する。ギンとて己の霊絡と感覚器官をルキアと同様につないでいるのだ。ルキアの霊絡に己の霊絡が絡みあい締め付ける度にもどかしい快感に身体が滾る,たまらない・・・ルキアが欲しくて狂いそうだ。

ギンは噛み締められたルキアの唇をこじ開けると自分の小指を差し入れる。
驚いて思わず,噛み締められた小指に走る甘い痛み・・・
開かれた菫の瞳に映るは,すでに戸惑いだけではなかった。
無意識の蕩けるような女の誘いの視線・・・

ルキアはそのままギンの小指を切なげにしゃぶった。微かに開いた唇から覗く艶めかしいピンク色の舌・・・

見つめるギンの喉がゴクリと震え熱い吐息がルキアの耳元にかかる。

「・・・っ・・・ルキアちゃん・・・」

ズルリと小指を引きぬき滴る甘い唾液をしゃぶるとギンはルキアを見つめ,あえぐように名を呼んだ。その間も二人の意思以上に霊絡は互いを激しく求め合い戯れあう。

運命を絡みとられ捕らわれたのはどちらだったのだろう?

「あっ・・・いっ・・・市丸隊長・・・」

「名前・・・呼んでな・・・」

「・・・ギ・・・ン・・・」

「好きや・・・ルキアちゃん・・・」

返事はなかった。しかし,求める瞳に全てが語られていた。

この人が欲しい,欲しい・・・私だけの銀髪の死神・・・

そう,すでに自分は囚われていたのだ。ギンの指から緋色の糸を取り上げた時から・・・
霊絡は絡み合い縺れ合いひとつになりたがっているかのように求め合う。
ひどく切なく淫らでもどかしい・・・まるで絡みあうあやとりの糸,お互いに取り合い絡ませないように糸を往復させながら結局最後にはからみ合って終わる。
なんて淫靡な遊戯・・・

ギンはルキアの唇を奪い小さな身体を抱きしめた。
魔法のようにルキアの腕を拘束していた糸を外し,ルキアの自由になった指にギンはしっかりと己の指を絡ませる。赤い歯形が残るルキアの小指に微かに血のにじむギンの小指がしっかりとつながる。

赤い糸だけではこの想いを紡ぐには足りない・・・

優しく絡みあう霊絡が愛し合う二人を見守るようにきらきらと輝いていた。


              〈END〉


あとがき
縺れ合ってからみ合ってどうにもできないくらい求め合って欲しい…舌も指も肌も身体も全てからみ合って最終的に溶け合って一つになって欲しいのです。
ギンルキは永遠です♡


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