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風邪をひいたら(ギンルキらぶらぶ夫婦編)~ギンバージョン

風邪をひいたら~ルキアバージョンと対のギンバージョンです♪

瀞霊廷に悪性感冒(インフルエンザ)が流行り始めました。風邪も逃げ出しそうな三番隊隊長も御多分にもれず……
ひんやりとした手が額に触れる心地良い感触で市丸ギンはうっすらと目を開いた。

「ギン,大丈夫か?」

「ん……ルキアちゃん帰ってきたん」

心配そうに覗き込んでいるのは,愛妻ルキアであった。熱で朦朧としていたせいか不覚にもルキアが帰ってきたのにも気づかなかったらしい。
ギンが大儀そうに体を起こしかけるのをルキアは押しとどめる。

「寝ていろ。ひどい熱で早退したと聞いて驚いたぞ」

「イヅルに伝染されたんよ。昨日から具合悪そうやったのに今日はピンピンしとると思ったらボクに伝染して治りよったんや。」

「何を馬鹿なことを。今,瀞霊廷全体に流行っている質の悪い風邪にやられたのだろう。吉良殿のせいにするでない」

恨めしそうにぼやくギンを軽くたしなめると,ルキアは再びギンを寝床に横たわらせた。

「どうせやったら,こないだのルキアちゃんの風邪,伝染されとけばよかったわ。相手がイヅルじゃ,ぞっとせんよ」

「たわけたことを,誰に伝染されようが風邪は風邪ではないか」

ルキアは用意してきた氷枕をギンの頭にあてがい,冷たく冷やした手布を乗せながら苦笑する。

「大違いや!ルキアちゃんがひいとった風邪やと思うたら,風邪菌でも愛おしいわ」

冷たい氷枕と手布に気持よさそうに目を細めながらギンは笑い,ルキアの手を握る。小さく柔らかな象牙細工のようなルキアの手の感触にギンはうっとりとする。

「でも,ルキアちゃん。よお,こないに早う帰ってこれたなあ。まだ終業時間には早いやろう?」

ギンが高熱で早退したという知らせを聞いたとしても,気を利かせてルキアを帰してくれるなど,あの十三番隊隊長浮竹十四郎に限ってありえないことであった。何しろ,ギンの妻になった今でさえルキアを思い切れておらず,虎視眈々と狙っているのだから。

「小椿殿と清音殿が,気を遣って私を帰してくれたのだ。ただ,隊舎全体に風邪が流行っていて人手不足ゆえ,仕事は持ち帰ってきたが」

「さよか。なんにせよ,よかったわ」

熱で熱くなっているギンの手から優しく指を抜くとルキアは布団を直しながら尋ねた。

「ギン,何か食べたいものはあるか?おかゆとかうどんとか?あと果物をいろいろ買ってきたのだが。」

「ん――食欲ないんよ」

「食べなければ薬が飲めぬぞ。阿近から良く効く薬をもらってきたのだ」

「阿近!?ええよ!!こないだの胃薬はえらい目にあったんやで,イヅルが」

阿近の名が出たとたんギンの眉間が露骨にしかめられた。
そう,それは先日のこと,珍しく隊首会の後の酒席で酒を過ごしてしまい,軽い二日酔い気味であったギンに阿近が渡した胃薬。
なんとなく信用できず,万年胃痛持ちのイヅルに譲ったのだが,喜んでその薬を飲んだとたんイヅルが顔を真赤にさせてぶっ倒れてしまったのだ。

「おまえが飲むと思ったから,あやつはからかったらしいが,まさか吉良殿に毒見をさせるとは……」

「二日酔いには迎え酒が一番やとか抜かしておったけど,まさか,あんな強い固形の酒,渡してくるとは思わんかったわ……」

「あの時は,吉良殿が四番隊に担ぎ込まれるやらで大変であったな」

ルキアは当時を思い出し苦笑する。

「花太郎の話によるとゴリラでも倒れるほどのアルコール度数やったらしいで。そんな薬危なくてよう飲めんよ」

疑いの眼でルキアの持ってきた薬包を見ながら,赤い顔でぼやくギンにルキアはくすくすと笑った。

「大丈夫だ。おまえに飲ませる前に私が毒見するが構わぬかと言ったら。しぶしぶ別の薬を出してきたから,多分心配ないだろう」

最初に渡した薬は一体なんだったのだろう?と疑問に思いながらもギンは首を振った。

「薬はいらんよ。寝とったら治る。ルキアちゃんそばにいてや」

「しかし,薬を飲まないと」

「ルキアちゃんが薬や……」

ギンは再びルキアの小さな手をとり,そっと指を絡ませるように握り締めると瞳を閉じた。
すぐに寝息が聞こえてきた。ルキアの前では元気ぶっていたが,やはり相当苦しいのだろう。呼吸が速く乱れがちの寝息であった。ルキアは空いている方の手でギンの額の手布を外し手を当てた。やはりかなり熱い。それに熱が高いというのに汗が出ていない。汗をかかなければ熱は下がらない。
ルキアは困ったようにギンを見つめていたが,ふと何かを思いついて微笑んだ。

「うむ。やはり,風邪の時にはあれが一番だな」

薬を嫌がるギンのために,ルキアはギンが起きた時,今頭に浮かんだあるものをすぐに用意ができるよう,握っていたギンの手をそっと外し,布団の中に入れると台所に向かった。


しゅんしゅんという音にギンはうっすらと目を開けた。
足元から少し離れた場所に火鉢が置かれその上に乗せられた鉄瓶が上げる湯気の音であった。その側に小机をおいてルキアが一心に巻物に筆を走らせている。どうやらギンの傍らで仕事をしているらしい。真剣に仕事をする様もキリっとしていて美しく惚れ惚れする。

「ルキアちゃん……」

ギンの声にルキアも顔を上げる。その顔に柔らかな微笑が広がる。

「起きたのかギン,気分はどうだ?」

「悪うないよ」

本当は頭がズキズキ痛むし,ひどくだるい。部屋は暖かいというのに寒気がするのだが,ギンはそんなことをルキアに告げるつもりはなかった。しかし,ギンの顔を見てそれと察したのであろう,ルキアは苦笑を浮かべると,すっと立ち上がり言った。

「ちょっと待っておれ。いいものを持ってくるから」

「いいもの?」

ギンの問いかけに頷きで返すとルキアは台所に向かった。
ルキアはまず湯を沸かし,それをボウルに入れた。湯煎の準備である。
そして,室温に戻しておいた卵の黄身に砂糖を大さじ半杯入れたものを鉄製のチロルに入れた。湯煎で全体を温めながら酒をすこしずつ注ぎ,木べらでゆっくりとかき混ぜる。温かな甘く優しい香りが台所に広がっていった。
仕上げに少しだけあるものを入れると,ルキアは大ぶりの湯のみに出来上がった湯気のたつ卵酒を持って寝室に戻ってきた。

ギンは自分で身体を起こし,ルキアを待っていた。

「ええ匂いやね。なんなん?」

「卵酒だ。そういえばお前に作ってやるのは初めてだな」

ルキアは小机の上に湯のみを置くと,まず羽織りをギンの肩にかけた。そして,小さな手で包み込むようにして,ギンの手に湯のみを渡した。ギンは慎重に受け取り立ち上る甘い香りを吸い込む。卵酒であるというのに清々しい爽やかな香りもした。

「ありがとう。ルキアちゃん」

熱い卵酒をふうふうと吹いて軽く冷ますとギンは一口すすった。とろりとしたうす甘い優しい味が口に広がる。一口飲むごとに身体がぽかぽかと温まっていく。先程まで一滴も出なかった汗がじんわりと身体ににじんでくる。
汗が出るということがこれほど気持ちが良いことだとは思わなかった。それにギンはこんな良い香りがする卵酒を飲んだのは初めてであった。ゆっくりと,全部飲み干すとギンは満足気なため息をはきルキアに笑いかけた。

「美味いわ,ルキアちゃん。それにこれすごくええ香りがする」

「ふふ,仕上げに去年二人で漬けた梅酒を香りづけに入れたのだ」

ギンの言葉にルキアは嬉しげに笑った。ギンの顔色が少し良くなってきたように見える。
卵酒を飲み終えたギンの額にうっすらと汗が出ているのを見るとルキアは,ひょいとギンの前髪をあげ,自分の額を押し当てた。

「うむ。先程よりいいようだな」

思わぬ急接近にギンは思わずルキアを抱きしめかけたが,すんでのところで止めた。卵酒のせいなのか,熱のせいなのか,抱きしめたらそのままでは済まない確信があった。肩を掴んで名残惜しげに身体を離すギンをルキアは不思議そうな顔で見つめた。

「あかんよ,ルキアちゃん。ボクの風邪が伝染ったらたいへんや」

ルキアの口元に笑が零れた。ルキアに風邪が伝染ることを心配するくらいなら別室にいるように言えばいいものを,矛盾している。それでもルキアに自分のそばにいて欲しいが,伝染さないようにはしなければと思うギンなりの気遣いらしい。

「お前の風邪なら伝染らぬぞ」

「へえっ?」

ルキアの意外な返事にギンの口からなんともま抜けた声が出る。ルキアはギンのきょとんとした顔を見て苦笑しながら説明を始めた。

「この風邪が流行る前に阿近に予防接種をされたのだ。流行風邪と合致するかどうかは博打だとか言っておったが,どうやら当たりだったらしい。その証拠に技術開発局の者たちと私はピンピンしておるからな。だから,心配せずとも……うわあっ!?」

言い終わらぬうちに腕をぐいと捕まれ身体を反転させられた。状況が理解できず,藍紫の瞳をまん丸に見開いて呆然とするルキアに,上になった体勢でギンがにんまりと笑った。

「そやったん?ああ,なんや気ぃ使って損したわ♪阿近もたまには気の効いたことするんやね♪」

言うなりギンは嬉しげにルキアの帯をとき始める。

「た,たわけ!か,身体に障るではないか!!さっさとどかぬか!!」

必死でルキアが押しとどめようにもギンの身体はびくともしない。ギンは露わになっていく雪白の肌に優しく唇を這わせながら,いたずらっぽく言葉を続ける。

「風邪はうんと汗かいたほうがええんやろ?卵酒だけじゃ足りんわ♪手伝うてくれん?」

「何を勝手なことを!あっ……ば,馬鹿者……せ,せめて薬を飲んで……」

ルキアの言葉にギンはくくっと笑った。

「薬はアルコールと一緒に飲んだらあかんやん。でも……」

ギンはルキアの細い華奢な首筋にちゅっとくちづけると,耳元で吐息のように囁いた。

「こっちの薬は一緒に飲んだほうがよお効くわ……」

ギンは抗議の声を上げようとする愛らしい唇を己の唇でふさいだ。
風邪の熱は下がってもルキアを求めるギンのこの熱だけは一生下がりそうもないようである。

              〈END〉


あとがき
愛情たっぷりの卵酒とギンだけのお薬(?)が効いてギンの風邪が治るかどうかは明日のお楽しみ……治らなくてもどうやらギンは構わないようですが(*^_^*)ホワイトデーなのにそっちの話は間に合わず風邪ひき話しになってしまってすみませぬm(_ _)mフカブカ


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