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いつも見ているよ

ホワイトデー超SSです (ღˇ◡ˇ*)♡ライゲツデ4周年ナノデス


十三番隊副隊長に抜擢されたルキア,憧れていたやりがいのある責任ある仕事。今までは経験したことのなかった指導する立場は,より一層の精進と努力が必要だった。充実している,望み,望まれ就いた席であるのだから…でも時には…
その少女は弱音を吐かない,たとえ玄関の扉を開けるために腕を上げることさえ億劫に感じるほどの疲労と倦怠,苦悩を抱えていたとしても。

「ただいま…」

「おかえり,ルキアちゃん」 
ぎゅう…なでなで

「なんだ!いきなり!?」

市丸ギンの腕の中でルキアは面食らう。身を離そうとしようにも長い腕のなかにすっぽりと包まれ抱き寄せられてしまった身体は体格の差もあって思うように動かせない。
ルキアの様子には全く頓着せずギンは小さな頭を撫でながら,口を開く。

「副隊長のお仕事,今日も頑張ったなぁ,えらいえらい。お疲れ様…」

「疲れてなどおらぬ…そもそも私などまだまだ…」
頭を撫でる手がすいと下がりポンポンと薄い背中を優しく叩く。

「キミに実力があること知っとるよ。でも,身の丈に合わないって悩みながら毎日気ぃ張って,背伸びして,それでも部下の前では毅然とした態度で過ごしとる。腹わって話せる友人も愚痴吐ける相手も上の立場になった以上なかなか作れんよね。しんどいこと知っとるから。ボクの前でだけは甘えてや」

ルキアのだらりと下がっていた細い腕が上がりギンの腰にまわされた。

「……っっ…」

「上に立つものとなった以上部下に弱気は見せられん。けど,ボクの前では素のままのキミでええよ。受け止めさせてや」
ぎゅぅ…ぽろぽろ…
ルキアの涙の音を静かにギンの胸が受け止める。

「キミは頑張っとる…大丈夫…ボク知っとるよ…」

「うん…うん…」

ギンは細い肩の震えが止まるまで胸に押しあてられた小さな頭をそっと撫で続けた。


              【おまけ】
 

ギンの用意してくれた美味しい夜食を食べ,赤い椛と白いウサギの柄の可愛らしい湯呑みで食後のお茶をすすりながらルキアは笑った。

「ふふ…おまえはいいな」

「へ?何が?」

ギンはルキアの湯呑みと対になっている黄色い銀杏と狐の柄の湯呑みを持ちながら不思議そうに問い返す。

「三番隊隊長という重席にありながら,副隊長の吉良殿に甘えっぱなしではないか。何やら個人的なことも相談しておると聞くぞ。お前というやつは果報者だな」

「何でこの状況下でイヅルの株が上がるんや?」
不満気に口をとがらせるギンにルキアは涼やかに答える。

「それが吉良殿の人徳というものだ」

「えーひどっ!ボクの立場はぁ?」

ルキアはお茶を優雅にもうひとくち飲んで,いたずらっぽく微笑んだ。

「私の夫というだけで十分だ」

「……♥…」

こういう不意打ちを軽々と投下してくるのだから,ギンはルキアに敵わないのだ。

「あのな,ルキアちゃんコレ…」

「ん?」

差し出された可愛らしい藍紫色のリボンを結んだ小さな銀色の箱。ルキアの瞳が輝く。

ああ,本当に…毎日の生活は全てキミの笑顔のために――

HAPPY WHITEDAY♥




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