心優しきギンルキスキーの皆様がよいクリスマスを過ごせますように(愛)クリスマスSSです
♥ キラキラ光るクリスマスツリー,赤々と燃えさかる暖炉のそばで,ギンは小さなルキアを膝の上に乗せすっぽりと包み込むように抱きしめる。抱きしめるだけでは足りないのか,更にギンは楽しそうに愛おしそうにルキアの頭を撫でる。
まるで宝物を愛でるように優しく繊細に。
ほんの少しだけくすぐったくて,とても気持ちがいい。でも,照れくささが勝ってしまって,くちではなんとなく反発してしまう。
「どうしておまえはしょっちゅう私の頭を撫でるのだ?」
「ルキアちゃんは世界一ええ子やから,なでなでしたいんよ」
「私は子供ではないぞ」
膨らんだ頬を長い指が可愛くてならないのか,軽くつつく。
「そりゃそうや,ボクのカノジョやん」
「……」
『カノジョ』,なんというか新鮮な響きに頬がほんのりと赤くなっていく。
良い意味で予測を外されると,喜びはどうしてこんなにも胸の内で弾むのだろう。
じんわりと優しく包んでくれるのだろう。
「たわけ…」
「えーなんで?」
問い返す声もさして不満を含んでいないのは,言葉の余韻に隠し切れない甘さがあるから。本当は心地いいのがわかっているから。
うっとりと満たされる蜂蜜色の時間…今夜は更に甘い。まるでクリームとフルーツで飾られたケーキのように。
ギンは甘い香りのする艶やかなルキアの髪にくちづける。
「好きや…」
橇の鈴音のような優しい声が,光のように耳に降り注いでくる。
それはまるでクリスマスプレゼント…
ルキアは幸せそうにギンの腕の中で眠りにつく。
メリークリスマス―――
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