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ロンギヌスLonginus

※注意!!ややR18よりのR15指定!過激な表現あり!

ルキアを妻にし幸せに暮すギンにある夜訪れた悪夢とは…
(なんなんや?これ……身体が動かへん……)

ギンは自分の周りの世界の変貌に愕然とした。なぜ自分は瓦礫の上に身を横たえているのだろう?そして目の前で泣き叫んでいる幼馴染。しかし,その声は耳に入らない,声すらも出せない。身体がしびれて動かない。鉄くさい血の塊が喉元にこみ上げる。
ギンは混乱した頭で必死に昨夜の記憶をたどる。

(ボクは……昨日の夜,ルキアちゃんと愛し合うてから,おやすみ言うて抱き合って眠ったはず……なんでこんなところでボク大怪我して寝とんのや……)

目の前にいる幼馴染に問いただそうにも声が出ない。
ギンは辛うじて動く視線で周囲を見渡した。町全体が崩壊したような瓦礫の中で,二人の人物が睨み合っている。
白い長衣をまとい翼の生えた長髪の異形の男と向きあう見知らぬ橙色の髪の死覇装姿の少年。見たこともない少年であるのに,知っているような不思議な既視感……そして……

(あの坊の向こうに……なんでルキアちゃんの幻が見えるんや?……そうや,ルキアちゃん!?ルキアちゃん……どこに……?)

自分の身体が徐々に冷えていくのがわかる。ゾッとした。自分の命がまさに消えかけていることをギンは自覚した。このまま,ルキアに会えず,自分は置かれた状況さえわからずに死んでいくのだろうか……ギンの瞳に涙があふれた。

(ルキアちゃん!!そんなんいやや――キミに会えんまま死ぬなんて―――こんなん嘘や!信じへん!!ルキアちゃん,ルキアちゃん,ルキアちゃ―――ん!!!)



「……!?……」

一瞬自分がどこにいるのかわからなかった。全身汗だくのままギンは開眼し周囲を見渡す。身体は自由に動く。枕元に置かれた目覚まし時計の秒針の音も聞こえる。
ここは確かに自宅の寝室であった。

ああ……でもあの光景は……

リアル過ぎる夢に混乱し叫び声を上げそうになった瞬間,ギンは自分の腕の中の柔らかく温かな感触に我に返った。
ルキアが愛らしい安らかな顔で眠っている。甘い寝息がギンの胸をくすぐる。
互いの素肌を合わせ,抱き合って眠りについた時そのままに。

ルキアの艶やかな髪がしっとりと濡れていた。自分は眠りながら泣いていたのだろうか。

「っあ……」

ギンは腕の中のルキアを起こさないように優しく,しかし今出来る限りの強さでしっかりと抱きしめた。涙がとめどもなくあふれる。

(ルキアちゃん……ルキアちゃん……ボクのルキアちゃん……)

何度も何度も優しく髪をなで,くちづける。ここにルキアがいることを確かめるように。
次第に現実感が戻ってくる。
そう,これが現実。自分とルキアが結婚し幸せに暮らすこの世界こそが。
ギンはようやく息を付いた。今まで自分は息をすることすら忘れていたのだ。

「ん……ギン?」

ギンのただならぬ気配が伝わったのか,ルキアがうっすらと菫色の瞳を開く。
そして,ギンの瞳からあふれる涙を見て不思議そうな顔をした。ルキアはギンの涙を細い指でぬぐい,頬をやさしくなでた。

「どうしたのだ,ギン?何があった?」

「ルキアちゃん……」

「怖い夢でも見たのか?」
ルキアの瞳にも言葉にもからかいの色はなかった。

「……」

あんな夢の話をルキアには話せなかった。話したくなかった。黙ってしまったギンを見てルキアは花びらのような唇にに微かに苦笑を浮かべると,そっと身を起こすとギンの前で腕を広げた。
雪のように白く大理石よりもなめらかな肌,小ぶりだが形よい愛らしい胸がふるんと揺れる。ルキアの優しい声が響いた。

「おいで,ギン。」

「……!?」

誘っているようにしか見えないが,どこか違うと感じてギンは一瞬戸惑った。

次の瞬間,ギンはルキアの胸に抱きしめられていた。ルキアのささやかであるが柔らかな優しい胸の感触――。その心地良さにギンは陶然とする。ルキアはギンを優しく抱きしめながら心を落ち着かせる柔らかな声でギンに諭すように言った。

「おまえは,時々夜中にひどくうなされることがある……」

「……へ!?」
それでは忘れていただけで,自分は今までもこんな悪夢を見ていたのだろうか。

「でも,こうしてやるといつも,おまえは安心したように笑う……」

ルキアはただギンを抱きしめその温かなぬくもりで包みすべてを癒していった。
幼子にするようにギンの癖のないサラサラとした銀髪をそっとなで,背中を優しくたたいた。押し付けられた胸からルキアの心臓の鼓動が伝わってくる。
優しい優しいルキアの鼓動,ここにいる,おまえのそばにいる,決して離れはしない,そう告げているような……
それはギンにとって天上の音楽よりも尊い音色であった。

ギンは声もなくルキアの胸にすがりついた。泣きたいほどの安心感ととろけそうなほどの幸福感に包まれる。

(ああ……ルキアちゃん……)

ギンは無言のままそっとルキアの胸から身を起こすと,今度はルキアを自分の胸に抱きよせた。ルキアのなめらかな頬が押し付けられ,繊細な手がギンの胸に触れ優しく撫でる。ルキアの優しい温もりとなめらかな肌に酔いながら,ぴったりと密着する肌と肌にこのままひとつになりたいとギンは願った。
ああ,この幸せは誰にも奪わせはしない。たとえ,神にだとて奪うことを許しはしない,決して。

しばらく無言で抱き合ったあとギンはルキアの耳元で囁くように問いかけた。

「なあ、ルキアちゃん。もしボクとキミが愛し合うことを許してくれん神さんのもとにボクら生まれてしもうたらどうする?」

ルキアは唐突なギンの質問に顔を上げて怪訝な顔でギンを見つめた。
「なんだそれは……考えたくもない世界だな……」

「例えばや」ルキアの言葉にギンは微笑を浮かべながらも返事を促す。

「そうだな。どんなに努力してもダメならば、私たちのことを認めてくれる神々のもとに行こう。そこでずっと一緒におればよい!」

「他の神さんのところ?」

うん、名案だという得意げな顔で笑うルキアにギンは不思議そうに聞き返した。

「ああ、現世には八百万の神というほど、多くの神々がおられると聞く。ならば私たちを慈しんでくれる神々もきっとおられるだろう?」

「すてきやね」

ルキアらしい前向きでまっすぐな答えであった。ギンはあまりの愛しさに、きゅっとルキアを抱きしめた。ルキアはくすぐったげに笑うとギンに無邪気に問い返した。

「おまえならば、どうするのだ?」

「ボク……?」

一瞬ギンの顔に暗い影が射した。もうずいぶん長いこと見た覚えの無いその表情を見て、ルキアの笑顔がわずかにひいた。一瞬中をさまよう視線,それはルキアを見つめるときの淡い優しい空色の瞳ではなかった。薄氷のような,刃のような…その瞳の奥に宿す紅蓮の炎は血のように紅い。
刹那,皮肉な嗤いのように歪んだ唇からもれた声はぞっとするほど冷たく,呪詛のように禍々しく響いた。

「……ボクは神を殺す」

「えっ!?」

「ボクとルキアちゃんのことを許さん神さんなんかいらん。ボクは神さんを殺してルキアちゃんと幸せになる。それがどんな世界であっても…」

「……」

言葉もなくギンを見つめるルキアの表情に、わずかに怯えの色があるのを見て取るとギンは安心させるようにうっすらと笑った。

「どうしたん?そないな真剣な顔して、ただの喩え話やん。マジにとらんといて!」

「うん。そうだな,ギン」

それはいつものギンがルキアに向ける優しい笑顔であった。
しかし、恐ろしく真剣な顔で答えていたのはギンであるのにルキアは言い返すことができなかった。こんなにもギンを怖いと思ったのは、まだギンを知り染めて間もない時、ただギンの存在を恐れ避けていたあの頃にもないことであった。

でも…ルキアはそっとギンを抱きしめ返した。

「私はここにいる。だから……」

怯えないでくれ、一人ぼっちで泣かないでくれ。
そして,どうか……後は言葉にならなかった。
ギンも強くルキアを抱きしめる。

「うん。離さんよ。だから…」

ボクのこと離さんで…その言葉を口には出さず、ギンは心のなかで祈るようにつぶやいていた。

孤独に怯え、闇のなかで光を求め続けていたギン。自分がギンの光そのものであることをルキアは知らない。己の中の魔獣を鎮めるただ一人の少女……そう,キミがいなければボクは……
ギンの中で荒ぶる塊が少しずつ静まっていく。

ギンはそっとルキアの体を反転させると、優しく唇を重ね舌を絡めた。甘やかなくちづけにうっとりとするルキアに微笑みかけると、ギンはルキアの小さな手をとって自分のそこにそっと導く。その熱い高ぶりにビクリと体を震わせたルキアは顔を赤らめて言った。

「んっ,ギン。だめだっ…明日は早いのだろう?」

「そんなんどうでもええよ。今はルキアちゃんのことしか考えられへん」

薄闇の中、二人の吐息が甘く溶けていく。
そう、運命を決めるのは神ではない。自分の意志と強き心、決してこの手を離しはしない。
愛しい少女との永遠を心に身体に祈るように刻みつけながら、ギンは甘い快楽に身をゆだねた。

                   〈END〉

あとがき
読んではいないのですが,キャラブックのギンの紹介に血の涙を流しつつ一気に書き上げてしまったSSです。運命を決めるのは神ではないってなんか最近のアニメ映画のセリフだったような…。あははどうも私は逆境で創作意欲がわくようです…マゾかもしれんです(涙)
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こんはんはーv

昨夜もほのぼのさせていただきましたが、今夜も読み直して
再ほのぼのしておりますv
神さまの部分が「=作者」に見えてしまったのは私だけでしょうか(笑
ギンルキを認めてくれる作者さま(kokurikoさま)の所に
望んでやってきて存在してる二人
この世界でなら永遠に幸せに暮らし続ける事ができるね、良かったね、
などとセンチメンタルな気分になったりもして。
kokurikoさまのお話はどれも暖かく、切なく、なぜか目頭が熱くなるのは何故でしょう
幸福なギンルキありがとうございます!
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